競馬予想において、前走で不利を受けた馬を見極めることは、的中率や回収率の向上に直結する重要なポイントです。しかし、初心者の方にとっては「前走不利」とは何か、どのように調べればよいのかが分かりづらいかもしれません。
この記事では、前走不利の基本的な概念から、実際の回収率やその調べ方までを分かりやすく解説します。
競馬で勝つカギは「前走不利」を見抜くことから
競馬において「前走不利」とは、前回のレースで他馬やコース状況などの影響により、本来の実力を発揮できなかった状況を指します。
例えば、スタート直後の出遅れ、レース中の進路妨害、直線での前が詰まるなどが典型的な不利です。
他にも「苦手な馬場状態だった」「大外枠スタートでずっと距離ロスが発生」などもその馬にとって不利な条件であったといえます。
これらの不利を受けた馬は、前走の成績が振るわなかったとしても、実力的には次走で巻き返す可能性が高いとされています。
実際、競馬予想家のとうけいば氏が行った調査によると、前走で不利を受けた馬の次走における単勝回収率・複勝回収率は、不利を受けなかった馬と比較して高い数値を示しています。

ほとんど全ての不利印がついた馬の次走成績(回収率)が優秀になっていることがわかりました!
ひとつひとつ詳しく見てみると、前走で出遅れた馬の成績が2,554頭集計して単勝回収率75%、複勝回収率67%と低いことがわかります。
基本的にゲートで出遅れる馬は次走でも出遅れることが多いので、「前走出遅れたから次走で巻き返し!」とはならないようですね。
それ以外の不利印は、基準回収率に設定した単勝回収率71%、複勝回収率72%を超える結果になりました。
すなわち、この記事の結論は「前走で不利があった馬は重視すべき!」となります。
「前走不利馬が儲かるか検証してみた│とうけいば」より引用
これは、前走不利を適切に評価し、次走での巻き返しを期待することで、馬券の回収率を向上させるチャンスがあることを示しています。
「前走不利」はどこで分かる?初心者にもできる調べ方
前走不利を見抜くためには、以下の方法があります。
レース映像のチェック
最も確実な方法は、前走のレース映像を確認することです。映像を通じて、スタートの出遅れやレース中の進路妨害など、目に見える不利を把握できます。特に、直線での前が詰まる場面や、他馬との接触などは、映像でしか確認できない重要なポイントです。
レース映像はJRAの公式サイトやnetkeibaの出馬表から確認できます。
出馬表から映像を見たい過去のレース名をクリックし、表示される結果の上にある「レース映像」から確認できます。(netkeibaで確認できるのは有料会員のみです)
- JRA公式サイトの出馬表(無料)
- netkeibaの出馬表(有料会員のみ)
関係者のコメントを確認
レース後の騎手や調教師のコメントも貴重な情報源です。「砂をかぶってリズムが崩れた」「馬場があわなかった」などの発言があれば、それは前走不利を示唆しています。これらのコメントは、競馬新聞や競馬専門紙各社のウェブサービス等で確認できます。
GⅠ等のビッグレースに出走する有力馬のコメントはネットニュースやYouTubeで配信されたりしますが、詳しく知りたい場合は競馬新聞を買うか各社のウェブサービスに課金するかのいずれかになります。
ウェブサービスの中では、専門紙大手「競馬ブック」の「競馬ブックSmartプレミアム」がおすすめです。
月額330円という低料金で、中央競馬全レースの調教と厩舎コメント、前走インタビューが確認できます。(なんと一部の地方競馬の調教と厩舎コメントもあります)
中央競馬当日版の競馬ブック紙面版は1日分で550円。短評や指数、コラム等の情報量が豊富ですが、それらが必要ない人にとっては「競馬ブックSmartプレミアム」はまさに神サービスです。
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競馬予想サイトやスマート出馬表の活用
前走不利は重要な予想ファクターなので、前走不利に関する情報を提供する競馬予想サイトやブログは複数あります。成績に自信がある予想家の人ほど「基本無料・特に自信があるレースの情報は有料」という形式が多いようです。
そんな中で初心者にとって手軽なのが、スマート出馬表の利用です。
このサイトでは、過去のレース評価や不利情報がまとめられており、無料で閲覧できます。
特に、予想家・馬場虎太郎氏の過去レース評価は参考になります。
過去レースにおける各馬の不利度をA~Eの5段階で評価してあり、初心者でも不利の有無が一目瞭然。
それに加えてトラックバイアスによる有利不利判定や、予想家・双馬毅氏による不利の記録「双馬メモ」も併記されているのでレース映像を見ずとも詳細な不利情報が手に入ります。
スマート出馬表を活用することで、専門的な知識がなくても前走不利の情報を得ることが可能です。
前走不利を味方につける具体的なチェックポイント
レース映像やコメントから前走不利を判断するための具体的なポイントを以下にまとめます。
レース映像で見るべきポイント
- スタート直後の出遅れ:ゲートを出る際につまずいたり、反応が遅れたりした場合。
- レース中の進路妨害:他馬に挟まれたり、外側に押し出されたりしてスムーズな走行が妨げられた場合。
- 直線での前が詰まる:追い込みをかける際に前方の馬が壁となり、十分な加速ができなかった場合。
前走不利を感じさせる関係者コメント
- 騎手のコメント:「スタートでつまずいた」「直線で前が壁になった」などの発言。
- 調教師のコメント:「馬場が悪すぎて前走は参考外」「最内枠がアダになった」などの発言。
前走不利は「見えない好走要因」
前走で不利を受けた馬は、一見すると成績が悪く見えますが、実力を発揮できなかっただけで、次走で巻き返す可能性を秘めています。
初心者でも過去の映像やスマート出馬表やコメント使えば前走不利を見抜くことができます。
「なぜこの馬が負けたのか?」を考えることは、競馬予想の精度をぐっと高めてくれます。
次からの予想に、ぜひ「前走不利」という視点を取り入れてみてください。勝ちへの一歩が近づくはずです。